「1カ月持つかどうかを、どうやって検証しようとしたのですか」と町会長。

「裏庭の砂利の端のところに2メートルおきに忌避剤を置いて、イノシシが突破できるかどうかを検証しました。」

「しかし、雨が降ると忌避剤が流されたりして、効力が落ちてしまうということでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。裏庭には強力なLEDライトが5つ設置してあるので、夜間は大丈夫だと思いましたが、昼間は狼の遠吠えが2カ所から聞こえるのと砂利だけなので、家の東側と茶ノ木の間に害獣撃退器を設置して、砂利が突破されたときのために備えています。できれば、砂利のところで防ぎたいので、有効期間を調べるのを兼ねて、忌避剤を湯飲み茶わんに入れて、砂利の端のところに2メートルおきに置きました。」

「確かに、忌避剤を湯飲み茶わんに入れれば、雨で流されることはありませんね」と町会長。

「今回使ったのは、1ケ月効果があるというタール系の忌避剤なのですが、この忌避剤を直接地面に置くと3日ぐらいで効果がなくなってしまいます。超音波と光を出す猫用の撃退器を組み合わせると数日間持ちます。今年は雨の日が多くて、効果の持続期間は雨にもよるし、直射日光による劣化もあるようなので、正確な有効日数が分かりませんでした。それで蓋つきの湯飲み茶わんを使いました。」

「なるほど。蓋つきであれば直射日光はあたりませんね」と町会長。

「おっしゃる通りです。蓋付の湯飲み茶わんはダイソーで買ってきました。そして、隣のケーヨーデーツーで外径が2センチぐらいの塩ビパイプとその塩ビパイプにすっぽり入るくらいの細い塩ビパイプを買ってきて、パイプカッターで2センチぐらいの長さに切りました。2センチの長さの塩ビパイプを2種類作ったのは、茶わんをひっくり返して高台と呼ばれる底の中央に太い方を接着し、細い方は蓋の内側の中央に接着剤で止めました。忌避剤は高台に接着した塩ビパイプの外側にできたドウナツ状のところに入れました。そして、蓋の内側の細い塩ビパイプを、高台の太い塩ビパイプに差し込んで蓋ができるようにしました。」

「なるほど。湯飲み茶わんの中に忌避剤を入れたのではなく、ひっくり返して高台のところに入れたのですか。塩ビパイプを使ったのは、茶わん本体と蓋の間に空間を作って臭いが外に出るようにするためですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。これだと直射日光が忌避剤にあたることもありませんし、雨で流されることもありません。」

「効果はどうなのですか」と町会長。

「2週間ぐらいは効果があったような気がします。最近になって、1カ月経ってもイノシシが嫌がっていることが分かりました。」

「狼の遠吠えとLEDライトで夜侵入できなかった猪が早朝侵入していたということでしたね。忌避剤入りの湯飲み茶わんを2メートルおきに並べておくと、早朝も2週間来なかったということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、気温が下がった11月の中頃になると、再びLEDライトが当たらない茶ノ木の向こう側に出没するようになりました。」

「猪は線的行動をするので、忌避剤入りの湯飲み茶わんを超えて、茶ノ木の向こう側に来ているのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。湯飲み茶わんが2つひっくり返っていました。」

「忌避剤入りの湯飲み茶わんなんて何でもないという意地を見せたのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。鳥対策用の磁石が残っていたので、茶ノ木の裏に侵入する場所に吊るしてみたのですが、明確な効果はありませんでした。」

「ところで、どうして忌避剤入りの湯飲み茶わんを1カ月経っても猪が嫌がっていることが分かったのですか」と町会長。

2019/12/12

<筆者の独り言>
核戦争の危機は去った。以前、息子に『ウクライナ戦争の天王山はクリミヤ大橋だ』と言ったことがあった。クリミヤ大橋は、『プーチン橋』とも呼ばれ、プーチン大統領の権威の象徴であるとともに、ロシア国民のプーチン大統領に対する信頼を表す橋でもある。だから、クリミヤ大橋がウクライナによって破壊されるようなことがあれば、高い支持率が崩れて、プーチン政権を維持することが難しくなる。

ゼレンスキー大統領はコメディアンにすぎないと思っている人もいるが、どう考えてもプロの戦略家だ。過去の戦争も徹底的に研究している。だから、なぜ、クリミヤ大橋を攻撃しないのか不思議に思っていた。

気がついたら、驚くほど効果的な方法でクリミヤ大橋を攻撃した。まず、300キロ先の目標を正確に攻撃できるハイマースでクリミヤにあるロシアの空軍基地を攻撃した。続いて、クリミヤにある他の軍事基地も攻撃したが、ロシア側はどのような方法で攻撃されたか解明できなかった。クリミヤのロシア人は不安に駆られ、本国に脱出した人も多かったに違いない。

そして、プーチン大統領の70歳の誕生日にハイマースでクリミヤ大橋を攻撃したのだ。高齢者のプーチン大統領は、もはや頼りにならないということを明確にしたのだ。お金に余裕があるロシア人は、皆、クリミヤを脱出するだろう。
そして、ロシア人のプーチン大統領に対する信頼感は急激に薄れていくに違いない。

プーチン大統領は政治家としての才能に恵まれているから、ロシア国民の支持率が急激に低下することに気がついたに違いない。しかし、怒りに任せて、核兵器を使ってもウクライナを支配できないと考えたようだ。それだけではなく、核兵器を使うことしかできない自分の無能さをさらけだすことにもなることにも気がついたのだろう。

結局、怒りの収まらないプーチン大統領はウクライナ全土にミサイル攻撃をすることになる。クリミア大橋が攻撃されても核兵器が使えないのであれば、もう使えるときはない。あるとすれば、ラブロフ外相が言っているように、国家の存立を脅かす直接的な核攻撃などを防ぐ報復措置のみということになる。

バイデン大統領は数日前、『核兵器による「アルマゲドン(最終戦争)」のリスクは1962年のキューバ危機以来最も高い水準にある』と言っている。『核に対しては核で対抗する』ということは、ウクライナ戦争が始まった時に言うべきだと僕は思うが、そうは言わずにロシアが核を使う誘いの隙を見せたのだ。今頃になって『核に対しては核で対抗する』と言うのは、ロシアが核を使う可能性はないと確信したからだ。

2022/10/13